小野島大さんより 『9souls』『underwater』によせて
 どうにももどかしい。
 ぼくにとってdipのヤマジカズヒデとは、長い間そういう存在だった。ありあまる才能を持ちながら、それを活かしきれない。周囲の期待や願望にあえて背を向けるような、どこか投げやりで、虚無的なたたずまい。ことに前作(99年)『Weekender』時の、 →続き

伊賀大介【スタイリスト】
僕はdipをただ聴いてる訳じゃないんだ。血の中に、細胞の中に、頭の中に入ってくるあの音。想いだすとまた、聴きたくなる。

田渕ひさ子【bloodthirsty butchers】
ライヴを見るたび、CDを聴くたび、そのめくるめくギターに胸踊らせて早くも8年。待ちわびた新譜、バンドがより一体となって奏でる音階は、やっぱりdipはかっこいい、と、うならずにはいられないほどやっぱりかっこいい。やっぱり凄い!いつまでも変わらない、いつまでもかなわない、永遠のヒーローです!

久保憲司【フォトグラファー】
いつからロックで解放されたり、癒されたりするなんて言われるようになったんだろう。解放されたり、癒されたりなんかしないよ。楽しかったり、何か考えさせられたり、感動したり、それぐらいだよ。今の日本の ロックはほとんど間違っている。

飽きずに迷宮を這い/日々を追いながら潰し/暗い穴へと落下し/安易に夢と心中し(「seed」)

dipは歌う。
どこにも行けない、行けないというのも分かっている、でも行こうとするのがロックだ、dipだ。

桜井誠【ドラゴンアッシュ】
映画ナインソウルズでdipの音を聞いた時、素直にカッコイイと思った。ギター、ベース、ドラムのシンプルな構成から生まれるロックキッズが喜んでダイブしそうな疾走感溢れる曲があるかと思えば、タブラやシタールと言ったインド辺りを彷佛とさせるパーカッシブな、テクノ、トランス好きにも通 ずるサウンドも合わせ持っている。まさに映画とのリンクがすばらしいサントラだ。 一方オリジナルアルバムではニルヴァーナのようなグランジロック色が強く押し出されていて、これまたライブの映像が目に浮かぶような一枚だ。2曲のカバー曲も面 白い仕上がりになっている。枠に捕われない自由で素直なサウンドが魅力なロックバンド、それがdipだ。

松田健人【SNOOZER】
10年を越えるキャリアを持ちながらも「ベテラン」、「大御所」といった言葉とは無縁に、今も最前線に立ち続けるアーティスト達――そんな存在を、僕は、彼らdipと、ソニック・ユースくらいしか思い浮かべられられない。『underwater』からは、本当に刺激的で、瑞々しい彼らの現在地が伝わってくる。胸のすくような傑作。

宮下貴裕【NUMBER (N)INE】
なんといっていいかわからないくらい最高で、この感動をうまく言葉にできない。 こうやって音楽で人を救うことができる人がまだいてくれたことが本当にうれしい。 日本も捨てたもんじゃないな。

(写真撮影はすべて稲葉輝矢によるものです)
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