作家・永沢光雄が、ガン発病までの2年間、雑誌「バースト」に遺した短篇小説を集成。 「この本ができたら僕はもう死にます。」 最後に会った日、永沢さんは焼酎を舐めながら筆談でそう言った。 本が出版されるまでは絶対生き抜くぞ、という決意だったに違いない。 2006年11月1日、死去。本は間に合わなかった。 2006年11月1日、肝機能障害により47歳の若さでこの世を去るまで、著作『AV女優』(42人のAV女優へのインタビュー集)、『声をなくして』(下咽頭癌の声帯全摘出手術により声を失った、自らの闘病記)や、産経新聞文化面に連載されたコラム「生老病死」などにより、多くの人の記憶に残り、そして愛された作家、永沢光雄。 インタビューの名手と呼ばれながら、のちに下咽頭癌で声を失うことになる直前、ガン発病までの2年間、作家が自らの新境地として取り組み、ユースカルチャーマガジン『バースト』に連載した小説26篇を集成しました。 この小説には、弱い部分を受け入れながら、歩みを止めない“まっとうな強さ”を持った男女、不器用にもがきながら、懸命に‘いま’を生きている男女の姿が描かれています。 そこには、かつてノンフィクション作家として、多くの人生と向き合ってきたからこそ描くことができたであろうリアリティが溢れています。 「この本ができたら僕はもう死にます。」 この本が出版されるまでは絶対生き抜くぞ、という決意とも取れる、最後の言葉。 純粋なほどまっすぐに、生き、書いた永沢光雄、珠玉の短編集の完成です。
- 書名
- 恋って苦しいんだよね
- 著者
- 永沢光雄
- 仕様
- 四六判 / 320ページ
- 発売日
- 2007年01月25日
- ISBN / Cコード
- 978-4-89815-200-3 / C0093
- 定価
- 1,980 円(本体 1,800 円+税)