かそけき糸
かそけき希望
の本
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長い坂の上にある私の部屋は空に浮かんでいるようなので雨が降ると雨に近くなります。
ある晩夢をみました。洗濯物がはためく昼下がりラジオから流れるちょっとかすれた歌声を私は聞いていました。
それから それから
というフレーズが重なるにつれ、海に空に地に水に身を沁み込ませていく女の人の歌でした。それは昔の流行歌のようでもあり見知らぬ国の伝承歌のようでもありました。
―― 高山なおみ (オビより)
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迫力を持ちながらのびやかに広がる絵と
音となって胸のうちに響く言葉。
日常と災禍を行き来しながら紡がれるものがたりが、
かすかな、だけど確かにそこにある一筋の光を感じさせてくれる絵本。
―― 世界がゆらぐような日々の中でも、いつもの「日常」はここに。
[プロフィール]
中野真典(なかの まさのり)
1975年兵庫県生まれ。大阪芸術大学卒業。保育士として勤務。のちに画家、絵本作家として本格的に活動を開始する。主な作品に、初絵本作品である『おもいで』(文・内田麟太郎)、『おはなしトンネル』、『もういいかい』、『かかしのしきしゃ』、高山なおみ氏との共作『どもるどだっく』、『たべたあい』など多数。そのほか『あなのはなし』などの紙芝居もある。最新刊『ミツ』は、愛猫ミツとの別れを描いた。『旅芸人の記録』は自身で立ち上げた出版レーベル「くちぶえ書房」の第1作目絵本であり、画家・絵本作家の道へ導いた若き日の出会いや創作の原点を描いた。
高山なおみ(たかやま なおみ)
1958年静岡県生まれ。レストランのシェフを経て、料理家に。文章への評価も高い。主な著書に、日記をまとめた『日々ごはん』『帰ってきた 日々ごはん』シリーズ、レシピ集『おかずとご飯の本』、絵本『アンドゥ』(絵・渡邉良重)、幼い頃の記憶を綴った『押し入れの虫干し』、『料理=高山なおみ』、『今日もいち日、ぶじ日記』『気ぬけごはん』ほか多数。中野真典氏との絵本は『ほんとだもん』『くんじくんのぞう』など。写真絵本に『おにぎりをつくる』、最新刊に『ふたごのかがみ ピカルとヒカラ』。神戸に暮らして5年目になる。
- 書名
- それから それから
- 著者
- 絵:中野真典、文:高山なおみ
- 装幀・装画など
- ブックデザイン:祖父江慎+志間かれん(cozfish)
- 仕様
- B5判変形 上製 (天地207mm x 左右195mm x 束幅8mm) / 32ページ
- 発行日
- 2020年07月15日
- 発売日
- 2020年07月09日
- ISBN / Cコード
- 978-4-89815-522-6 / C0093
- 定価
- 1,980 円(本体 1,800 円+税)