感想・コメントが続々届いています!2022.11.15 現在

驚くべき希望の書。
頁を開くと、無表情な自分の胸に何かが熱く流れ込んできた。
その優しさとめちゃくちゃさに、びっくりして笑ってしまいました。
そうか、私も、どこで何をしてもいいのか。

穂村弘さん

エッセイと詩と小説の境界線があいまいな感じが読んでいて心地よく、詩的な表現は語り手の見ている景色を映像として読み手の脳裏に浮かび上がらせてくれるようで、好きな表現には線を引きながら読んでしまいました。

──齊藤加菜さん(ジュンク堂書店池袋本店)

創作と随筆のあわいのような独特の雰囲気がとても良かったです。
力強く「フェミ」と宣言しているのではないのですが、女性が何気なく感じる引っ掛かりなどを形にして見せてくれたり、肯定して後押ししてくれるので、性別が女性でなくとも「自分」を主語として読める人が多いのではないかと思いました。

──小海裕美さん(ジュンク堂書店池袋本店)

ああ、わたしは文学の豊かさをまだ知らない──
時として熱の宿る言葉も、ただ流れてゆく文章も、まどろみの中で語られる世界のように、事実と虚構を等しく想起させ、いつしかこれが小説なのか、散文なのか、詩なのか、そんなことはどうでもよくなっていた。 いま文学が書き記され、それが堂々と在る。そのことに、私はただただ感動している。

──竹田勇生さん(紀伊國屋書店浦和パルコ店)

女性であることに嫌気がさすような日々ですが、性別を気にせず、ひとりの人間として生きていこうと前を向く力を得たようでした。
読み終えたあとはいつもの景色がうつくしく感じられました。

──田中沙季さん(紀伊國屋書店小田急町田店)

最初の一篇を読んで顔を上げた時 少し物の見え方が変わったようにも思えた。
想像力のフィルタを通せば見慣れた風景も一変する。
一冊通して読み終えるころには自分の中の何かがもっと変わっているかもしれない。
静かに背を押されるような心地のする本だ。

──河合駿介さん(ジュンク堂書店吉祥寺店)

言葉を綴って生きてゆくとはこういうことなのだと思いしらされた感じがします。

──早野佳純さん(三省堂書店池袋本店)

他の誰の文章とも似ていない、“大崎清夏さんの文学”だと感じました。
滾るようなアツアツのお湯ではなく、すこし温くなってきて心地よくとろけてしまいそうなお風呂のような、うつくしい流れと韻律をもつ文章が、渋谷のミニシアターで好きな映画を観たような気持ちをつれてきてくれました。

──八木寧子さん(湘南 蔦屋書店)

文章から伝わるやさしさに安心感を抱きながら、いっしょに旅に出かけているような本だなと思いました。

──古賀詩穂子さん(TOUTEN BOOKSTORE)

本という物体に収められたテキストという名のバトンを、私たちは著者から受け取っている。見ず知らずの生まれた国も時代も違う先人たちから。そして、大崎さんは「自分の番」として、新たなバトンをつないでくれた。同じ本を全く別の場所で読んでいる、きっと会うこともないだろう女の子たちへ──。どうか、受け取ってほしい。

──黒田杏子さん(ON READING)

ここに綴られる物語たちが内側から放つやわらかくて、美しい光は、きっと生きていくうえでの大切な味方になる。
そういう本に出会えたことを、とても嬉しく思います。人生のお供にぜひ。

──田村知世さん(ジュンク堂書店吉祥寺店)

あたたかくて、やさしくて、時には熱くて、身体の芯の在処がわかったような気がしました。
今年の冬はこの本をコートの左ポケットにいつも忍ばせておこうと思います。

──猪股康太さん(紀伊國屋書店国分寺店)

散文、小説、日記、エッセイ。ひとつのカテゴリーに留まることなく溢れ出した言葉のどれもがきらめいている。書くことで自分でありつづけようとする詩人の、立ち尽くし、かたちを変え、歩き出す姿が綴じられています。その名前のとおりに澄みきった夏の風を思わせる、強く軽やかな言葉たち。

──菅原匠子さん(曲線)

ひとことひとこと、大崎さんの選ぶことばがいちいち私の胸を刺激してきて、一冊読むのに何日も費やしてしまった。頭の中で、何度も反芻して、じっくり味わいながら読む。こんなにゆったりと本を読むのは久しぶりだなぁと思いながら。
一文一文が際立って、独立していて、ときに、これは詩歌のような、ものがたり。
散歩中に、家事のちょっとした合間に、昼下がりの窓辺で、はたまた、自分に自信がなくなったとき、勇気をもらいたいとき、これからふと読み返したくなりそうな、そんな一冊です。

──礒部ゆきえさん(TSUTAYA BOOKSTORE下北沢)
大崎清夏
『目をあけてごらん、離陸するから』
装画:Courtney Knight (CourtneyKnight.com.) “Traveling for pleasure”
装幀:佐々木暁

定価:本体価格1500円+税

全国書店にて発売中!