夜よりも大きい

===== Little More〈真夜中〉BOOKS 第3弾! ===== 夜の震えを、きく。 真夜中になると泣き声が聞こえてきた。 夜そのものが泣いているようだった。 — 2001年『水に埋もれる墓』で朝日新人文学賞を、2002年『にぎやかな湾に背負われた船』で三島由紀夫賞を受賞、2003年・2008年には芥川賞候補にノミネートされた作家・小野正嗣が、ひとつのテーマにそって書きついできた連作短篇小説集。 強制収容所を思わせるバラック、孤児たちの暮らす施設、難民が身をひそめる森……。 幼い姉弟、少女、若い母親らの視線を通して、抵抗しがたい大きな流れにさらされた世界を見すえ、災厄にくだかれた生のかけらを掬い描きだす。 自身の故郷・大分がモデルの「浦」を舞台とした一連の作品で、息の長い、骨太な文体を紡ぎだしてきた著者の、もうひとつの広がりが、本書に結実します。 季刊「真夜中」(小社刊)での連載を中心に、「新潮」(新潮社刊)、「すばる」(集英社刊)などへ発表した短篇を含む10編を収めた本書は、著者のあらたな到達点を示します。 — 大きな流れに運ばれる、人びとの声。 圧倒的な密度でうねりくる、文学体験。

書名
夜よりも大きい
著者
小野正嗣
仕様
四六判 / 208ページ
発売日
2010年09月29日
ISBN / Cコード
978-4-89815-298-0 / C0093
定価
1,650 (本体 1,500 円+税)
書籍
定価 1,650 (税込)
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