「人との関係の絶望的な隔たりと、 隔たりの向こうから聴こえる声。 読みながら、耳を塞ぎたいのに 耳を澄ましてしまう。 地震が過去をも揺さぶって、 時間がこみ上げてくる。」 柳美里 (作家) ―― 帯より 【各紙誌より賞賛を浴びる衝撃のデビュー作、重版出来!】 2011-2014 福島県浜通り、検問のある町。 女性記者は、その地に生きる人々にのめり込んでいく――。 たしかな描写で、風景が、土地が、人間が、立ち上がる。 - - - 「猫は痩せねえな。犬はみんなガリガリだ。犬は人から餌もらってしか生きられないんだよ」 ―― 元ヤクザ、現在原発作業員の親方 「嘘つきのコミュニケーションはやめてください。仕事上のことだからと同情して質問しないでください。岡さんの言葉で人が傷ついています。私がその一人です」 ―― 大熊町の青年からのメール 「まわりに人がいなくなって、煩わしい近所付き合いもしなくて済むし、ストレスもなくなったの。放射能は少しあるけどもね。今はパラダイスだと思うようにしているの」 ―― 寝たきりの母親を介護するため警戒区域内に残った女性 - - - 3.11の日に 本当に会いたかった人は 誰ですか?
- 書名
- 境界の町で
- 著者
- 岡映里
- 仕様
- 四六判 上製 / 234ページ
- 発売日
- 2014年04月19日
- ISBN / Cコード
- 978-4-89815-386-4 / C0095
- 定価
- 1,760 円(本体 1,600 円+税)