傑作・青春小説『岬バーガー』でデビューし、注目を集めた本馬英治、
待望の第二作、ついに刊行!
『レイチェル母さん』
幽霊屋敷に住み着いたレイチェルさんは、ぼくら3人の母さんだった――。
「三人だけの秘密にしよう」 ぼくたちは誓い合った。
ふたりと別れて、家までひとりで歩いている時にも、ぼくはまだ三人でいるような気がした。
それは、あまり味わったことのない感覚だった。(本文より)
ちょっと大人になれた気がしたあの頃を思い出す、心の冒険物語。
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湯本香樹実さん(作家) 推薦!
流されずに生きるにはどうすればいいだろう?
物語の中から「考えろ」「考え続けろ」という声が聞こえてくるようだ。
簡単に答えを出すことを清々しく拒否して、心に深く残る物語。
一気に読みました。
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みんなと違う意見を言うのは、子供だって、大人だって、怖い。
でも、いま、ひとりで考えなきゃいけない。この街、家族、友達、レイチェルさんのこと。
◎あらすじ
この春、小学六年生になった、クラスの日陰もの、根津と右田。
ふたりはともにオカルト好き。
最近は、丘の屋敷で幽霊捜しに夢中だった。ある日、屋敷で優等生・高松に出会う。
3人で幽霊を捜しはじめるが、出会ったのはレイチェル・カーソンの生まれ変わりを
名乗る不思議な女の人だった…。
彼らはレイチェルさんとの交流を通して、自然の尊さ、
この世界との向き合い方を学び、少しずつ成長していく。
一方、町には、怪しげな「つち」がダンプカーで運び込まれ続け、
「つちのまつり」という大イベントまで計画されるようになって……。