空ばかり見ていた

「オレは見とどけたいんだよ、善を為そうとして結局は悪に組み込まれてゆく人間を……」

 

内戦下、追い詰められた反政府軍の若者たち。
恋愛は、集団は、どこへ向かうのか。
あらゆる不確かさのなかで、戦争は、何を顕在化させてしまうのか。

 

岩松了、最新戯曲。

 

〇あらすじ〇

舞台は反政府軍のアジト。反政府軍の兵士・多岐川秋生は、尊敬するリーダー吉田満の妹・リンと恋愛関係にある。
ある日リンが暴漢に襲われ、指令部のある町に派遣されていた秋生は身を案じ慌ただしく帰還する。
傷を負いながらも、リンは愛する恋人や仲間たちが自分を見守ってくれることに幸福を感じ、回復へと向かう。
命の保証のない日々のなか、結婚に踏み切れない秋生と、その考えを察して共に闘いたいと願うリン、そんな彼女に戸惑う満。
やがて、秋生が絶対的な信頼をおいていた満に対して不信を覚えざるをえないような出来事が起こる。
満への感情と連動するようにリンを否定する気持ちがわき上がり、戸惑う秋生。
同じころ、政府軍のスパイが組織に入り込んでいたことがわかり、事態はさらに複雑さを増していく――。

書名
空ばかり見ていた
著者
岩松了
仕様
四六判 並製 / 208ページ
発売日
2019年03月18日
ISBN / Cコード
978-4-89815-502-8 / C0074
定価
1,870 (本体 1,700 円+税)
書籍
定価 1,870 (税込)
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