私たちの話には意味がある。
忘れないために、ゆっくり話しましょう。
シンガーソングライター、小説家、
コミック作家、映像作家、そしてエッセイスト。
韓日のカルチャーシーンで煌めく多才なアーティスト、イ・ラン。
大好評『悲しくてかっこいい人』に次ぐ、待望の新作エッセイ集!
お金、労働、フェミニズム、コロナ禍……。
韓国大衆音楽大賞授賞式でトロフィーを売った話から、
創作の舞台裏、金銭事情、#MeToo運動、友との別れ、荒波の日々。
「芸術製造業者」と自称し、「ほんとうにそうすべきだろうか?」と問う。
あらゆる境界線を消して、ひたすら話し、ひたすら歌い、
記憶していくイ・ランの物語。
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社会の基準が変わっていくのを見守り、勉強して食らいつき、
変わろうと努力しながら私がいちばん悩んでいることは
「これから私にどんな話ができるだろうか?」だ。(本文より)
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イ・ランの問いが、痛みが、心に迫る。
ありのままの話が強く、悲しく、この時代を照らし出す。
[推薦コメント]
ポストイット、花束、既読のメール、未読の本、請求書、たまらない写真。
デスクを痛み散らかしながら、私たちは少しだけ、昨日よりもよい風に、歌う。
―― 折坂悠太(歌手)
働いて稼ぎ、身銭を切って約束を果たす。
化粧の前に手を止め、見えない傷に触れてみる。
火を熾すように日々を書き残す人がいて、
その灯りに応えるように我らもページをめくる。
―― 岡田育(文筆家)
[プロフィール]
イ・ラン
1986年韓国ソウル生まれ。ミュージシャン、エッセイスト、作家、イラストレーター、映像作家。16歳で高校中退、家出、独立後、イラストレーター、漫画家として仕事を始める。その後、韓国芸術総合学校で映画の演出を専攻。日記代わりに録りためた自作曲が話題となり、歌手デビュー。音楽アルバムに『ヨンヨンスン』『神様ごっこ』『オオカミが現れた』(国内盤はスウィート・ドリームス・プレスより)。著書に『悲しくてかっこいい人』(呉永雅訳、小社)、『私が30代になった』(中村友紀/廣川毅訳、タバブックス)、『アヒル命名会議』(斎藤真理子訳、河出書房新社)など。
オ・ヨンア 訳
翻訳家。在日コリアン三世。慶應義塾大学卒業。梨花女子大学校通訳翻訳大学院博士課程修了。同大学院講師、韓国文学翻訳院翻訳アカデミー教授。第7回韓国文学翻訳新人賞受賞。訳書にキム・ヨンス『世界の果て、彼女』(クオン)、ハ・テワン『すべての瞬間が君だった』(マガジンハウス)など。
[目次より]
第一部 芸術製造業者
第二部 自分をネタにしてストーリーを作る
第三部 ただの存在なだけです
第四部 今日も話せてよかった
第五部 私はどうして知らないの
- 書名
- 話し足りなかった日
- 著者
- イ・ラン、訳:オ・ヨンア
- 装幀・装画など
- 装画:廣川毅
装幀:名久井直子 - 仕様
- 四六判 並製 / 248ページ
- 発売日
- 2021年10月06日
- ISBN / Cコード
- 978-4-89815-546-2 / C0098
- 定価
- 1,980 円(本体 1,800 円+税)