日本海に臨む町で、海に沈む夕陽をいつも見つめていた。
そこがはじまり。
肌、衣ずれ、不在の空間、視線、窓、枯れゆく花、長い橋、夜……
エロスとタナトスに魅入られ彷徨いつづけた、30年にわたる写真家の歩み。
故郷・下関で開催の初の大規模展覧会にあわせ、そのエッセンスを閉じ込めた決定的一冊。
= = =
ヌードをはじめとした独自の作品世界が国内外で高く評価される写真家・野村佐紀子。
静けさのなかに激しさが宿り、繊細さと力強さが同居する作品は、いまこの時代にこそ響くエモーショナルな魅力を湛える。
数ある作品テーマから横断的に選りすぐられた代表作と、展覧会にむけ撮り下ろされた最新作、75点を収録。
圧倒的なアートワークとページ構成が作品の新たな魅力を引き出し、情動的な世界へと誘う、渾身の写真集。
[同郷の作家・田中慎弥による書き下ろし短編小説「海風」を収録]
- - -
野村佐紀子 写真展「海」
会場:下関市立美術館
会期:2022年2月11日(金祝)- 3月27日(日)
- - -
[プロフィール]
野村佐紀子(のむら さきこ)
1967年山口県下関市生まれ
1990年九州産業大学芸術学部写真学科卒業
1991年荒木経惟に師事
1993年より国内外写真展、写真集多数。
おもな写真集に、「裸ノ時間」(平凡社)「闇の音」(山口県立美術館)「夜間飛行」(リトルモア)「黒闇」(Akio Nagasawa Publishing)「TAMANO」(Libro Arte)「雁」(BCC)「Ango/sakiko」(bookshop M)「愛について」(ASAMI OKADA Publishing)「GO WEST」(Libro Arte)「春の運命」(Akio Nagasawa Publishing)など。おもなコレクション先に、テート・モダン(ロンドン)東京都写真美術館などがある。
- 書名
- 海 1967 2022 下関 東京
- 著者
- 野村佐紀子
- 装幀・装画など
- アートディレクション・デザイン:ひぐち裕馬
- 仕様
- A4判変形 並製 (天地303mm x 左右227mm x 束幅11mm) / 104ページ
- 発売日
- 2022年02月18日
- ISBN / Cコード
- 978-4-89815-553-0 / C0072
- 定価
- 3,520 円(本体 3,200 円+税)