在日三世としてこの世に生を受け、カメラマンとして活動してきた李朋彦は、3年半の歳月をかけて日本全国の一世を撮り下ろし、インタビューを続けてきた。 それは、自らのアイデンティティを確認する作業だった。日本名を捨て、この国で地に足をつけて生きてきた彼だからこそ、まとめあげられた奇跡のような超大作! - - - 泥棒と人殺し以外は全部やってきた。長男が生まれたときが一番嬉しかったよ。わたし、祖国が統一されるまで絶対に死なへん。 金 泰先(キム テソン/兵庫県尼崎市) - - - 日本全国で生きてきた在日韓国・朝鮮人一世九十人の軌跡。 ポートレイトに写る年老いた 彼らの肌に刻まれた濃密なる時間。日韓併合後、戦前戦中、そして戦後。過酷な状況下において彼らはどのように生き抜いてきたか。 写真家・李朋彦のまなざしは、見過ごしがちな、しかし決して忘れてはならない歴史の一側面を私たちに見せつける。 - - - 日本がええかと思って来たらようなかった。苦労ゆうても、わたしだけじゃない。うちらの年はみんな苦労したよ。日本人でも。 金 桂香 (キム ケヒャン/愛媛県松山市) - - - - - - 「僕は誰だろう」「どこから来たのだろう」「どこへ行くのだろう」「どこへ辿り着くのだろう」 僕はまさしく在日三世。祖父母に会いたい。亡き父に会いたい。 そうだ!一世たちと会い、何かを伝えなければいけない。 そう思い、祖父母、父に会う感覚で日本全国で生きる一世を訪ねる僕の旅がはじまった。 (あとがきより) - - -
- 書名
- 在日一世
- 著者
- 李朋彦
- 仕様
- A4判変形 / 208ページ
- 発売日
- 2005年12月
- ISBN / Cコード
- 978-4-89815-160-0 / C0072
- 定価
- 3,038 円(本体 2,762 円+税)