自棄の果てに、優しさがあった。松尾スズキ ふいに現れた84年生まれの比類なき才能・福嶋舞。 福嶋舞が絵の中に描くのは、ほとんどいつもひとりの女の子です。彼女たちの目はすこしけだるそうです。一枚の絵は、退屈や悲しみや、凶暴さやいらだちや虚しさのエピソードを連想させます。彼女たちの物語は私たちにとても親密に語りかけますが、いつまでも手の届かない神話のような普遍性をもたたえています。美しい線と色が、傷だらけの、ギャグと退廃の、愛らしいひとでなしの物語を次々と紡ぎ出していきます。 ◆92のドローイングに加えて2つの物語も収録された作品集◆ 「指が六本生えているようないずさを感じてそして」※リストラに遭い、羊に乗って街を放浪する男の話 「性をあきらめようか否かそして」※踏み付けたハトを持って公園をうろつく女の話 ’00年代の「人間失格」
- 書名
- Nothing
- 著者
- 福嶋舞
- 仕様
- A5判 / 127ページ
- 発売日
- 2005年03月
- ISBN / Cコード
- 978-4-89815-142-6 / C0071
- 定価
- 2,640 円(本体 2,400 円+税)