愛し方も
死に方も、
自分で決める。
江戸時代、元禄期の大坂で人々が狂喜したように、激烈な恋の物語が今また私たちの心を掻きたてる。
運命の恋をまっとうする男女の生きざまは、時代を超えて、美しく残酷に、立ち上がる ―― 。
300年前、人形浄瑠璃の世界に“心中もの”の大流行を巻き起こした近松の代表作「曾根崎心中」を、直木賞作家・角田光代が現代に甦らせる!
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これが恋か。初は思った。これが、恋か。
ほほえみながら、泣きながら、高笑いしながら、物思いにふけりながら、不安に顔をゆがめながら、嫉妬に胸を焦がしながら、記憶に指先まで浸りながら、幾度も幾度も、思った。
これが、これが、これが、恋。
(本文より)
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出会ってしまった心を、止めることはできない。
これが、恋のかたち。
幾世の時を超え、いま究極の恋物語がふたたび始まる。
- 書名
- 曾根崎心中
- 著者
- 角田光代
- 装幀・装画など
- 原作:近松門左衛門
装幀:鈴木成一デザイン室 - 仕様
- 四六判 上製 / 176ページ
- 発売日
- 2011年12月22日
- ISBN / Cコード
- 978-4-89815-326-0 / C0093
- 定価
- 1,540 円(本体 1,400 円+税)