インディペンデント音楽レーベル・カクバリズム代表、角張渉。
汗と涙、そして音楽にあふれた15年間を語り下ろした初の著書がついに発売!
YOUR SONG IS GOOD、SAKEROCK、キセル、二階堂和美、イルリメ、MU-STARS、cero、(((さらうんど)))、片想い、VIDEOTAPEMUSIC、スカート、思い出野郎Aチーム、在日ファンク、mei ehara……
個性豊かなアーティストたちが所属し、“カクバリズムっぽさ”は形容詞としても用いられるほど、音楽シーンで圧倒的な存在感を示すインディペンデントレーベル、カクバリズム。
大好きなバンドの音楽を世に送り出したい。
22歳の青年が、レーベルを立ち上げたのは2002年のことだった。
たった一人ではじめたレーベル運営が、いつしか自分の「仕事」となっていく――
決して平坦でない、凸凹レーベル道を突き進んできた角張渉が語る、音楽を生み出すことの喜び、続けていくことの苦しさ。
「厳しい」時代が続いていると言われる日本の音楽業界において、
カクバリズムが唯一無二のレーベルと評される理由はどこにあるのか。
この時代、まっとう過ぎる仕事論がここにある。音楽を愛するすべての人に。
はじめに
1 音楽で飯を食うなんて
中心は、ど真ん中とは限らない/続けることは、いいことなのか?/上京して、西荻窪のライブハウスで働きはじめた/ミュージシャンとしては音楽を続けられなかった/学生ローンで借金、レーベル「スティフィン・レコーズ」をはじめる/大学卒業、時給750円のレコ屋でフリーター生活/サイトウ・ジュンくんへの憧れが、カクバリズムを生んだ/YOUR SONG IS GOODの音源をスティフィンからは出さなかった理由/音楽の世界の「ヨコの人間関係」を感じさせてもらう/レックもフライヤーも、何もかも手作り感が満載だった/レコ屋に対しては、初期のアナログ盤が効果的だった/マネジメントもしっかりやるレーベル、が運営方針に/バンドの魅力を伝えるために/音楽で食うなんてダセぇよなと思っていた/お金をもらうことで、胡散臭くなりたくはなかった
2 音楽家を支える苦と楽
YOUR SONG IS GOODの大躍進がはじまった/とにかく、かっこいい音楽のために/メジャーのシーンは特に気にしていなかった/バイトの休憩時間に、レーベルの打ち合わせ/YOUR SONG IS GOODと一緒だから、音楽で食おうと思えた/キウイロールの解散、スティフィン・レコーズを終わらせる/アルバム『YOUR SONG IS GOOD』が状況を切り拓く/フジロック出演、メジャーデビュー、順風満帆なはずだった/もう、YOUR SONG IS GOODはメジャーアーティストなんだよなぁ……/バンドの停滞に対応しにくいマネジメントをしていた/ヴァイブスの調整が足りなかった/失ってはじめて「守りたいもの」がわかった/音楽を続けることが大変な時代/仲間の外にも通用する面白さを求めて/憧れの影響から脱するには
3 音楽仕事を続けて生きるには
音楽家にとっての「夜の時代」にやるべきこと/いい音楽を作れば、飯は食えるのだろうか/東日本大震災を機に、音楽の核心を考えた/リリースとリリースの間にやることがすべて/もっともっと、いい曲を聴かせてほしくなってきている/「面白さ」=「ここではないどこか」/「こいつらは違うものを持っているんだな」がないと、勝負ができない/レーベル代表だからこそ、締め切りを変えられる/もっと、音楽を信じればいいのに/ライブの規模をどう進化させていくのか/面白くなるのは「面倒臭いもの」/SAKEROCKのすごさは、スケジュールにあった/勝負のアルバムに、貯金の三分の二を賭けた/キセルの復活は、ものすごく嬉しかった/リリースとリリースの間が予想以上に空いてしまう
4 インディでやっていく
良くも悪くも、人に頼らずにやってきた/知らなかったからこそ、一人でレーベルを設立できたところもある/フィジカルを鍛えることで、人気を確定させていく/ceroは期待され、認められ、応援されるようになっていった/改めて、インディペンデントレーベルとして/基準はやっぱり「ダっせぇことはしたくねぇ」/星野源くんの移籍、SAKEROCKの解散をきっかけに考えたこと/SAKEROCKの最後のアルバムが出来上がった/解散ライブの前後に考えていたことは/気持ちは、整理できないままでもいいのかもしれない/ceroの新境地にさらに必要だったもの/音源のリリースは「コンセプト」を渡していくことでもある
おわりに
マンガ 角張渉の衣・食・住・音/本秀康
角張渉とカクバリズムの歩み
カクバリズムのアーティストたち
カクバリズムのディスコグラフィ
- 書名
- 衣・食・住・音 音楽仕事を続けて生きるには
- 著者
- 角張渉、聞き手:木村俊介
- 装幀・装画など
- 装画:吉澤成友
マンガ:本秀康
装丁:大原大次郎 - 仕様
- 四六判 並製 / 400ページ
- 発売日
- 2018年07月07日
- ISBN / Cコード
- 978-4-89815-479-3 / C0095
- 定価
- 2,200 円(本体 2,000 円+税)