まぎれもない手仕事の粋。
とりわけ美しくしなやかな竹細工の里、岩手県鳥越。
平安時代に伝わったとされる「すず竹細工」は、「民藝運動」の柳宗悦にも認められた伝統工芸。
材料のスズタケは120年に一度一斉に枯れ、新たに成長するには20年の月日が必要。
編み手の減少・高齢化が深刻かつ、スズタケがついに枯渇の危機に瀕する今、それでもなお、長い歴史をつなげていく人がいる。
鳥越で生まれ育ち、卓越した編みの技術とセンスで高い評価を得る職人・柴田恵を通して、すず竹細工の歴史と魅力に迫る1冊。
*代表的な編み方の紹介や、すず竹細工をめぐる年表も収録。
[プロフィール]
柴田 恵(しばた めぐみ)
昭和33年岩手県二戸郡一戸町鳥越生まれ。親族の多くがすず竹細工に携わる中で育つ。昭和60年、母・恵美子が病に倒れたのをきっかけに専業主婦からすず竹細工職人を志す。平成7~22年, 鳥越もみじ交遊舎においてすず竹細工の指導を行う。この間も伝統を踏まえつつ独自のデザインの作品を制作。その後は私塾を開いて後進の指導にあたり、年に数回展示会で作品を発表。
堀 惠栄子(ほり けえこ)
昭和30年東京生まれ。日本女子大学を卒業後、(株)パルコに入社。社内報の編集を経て、各種イベント、ギャラリーの企画運営を担当。退社後、昭和58年より小池一子主宰「キチン」に在籍。出産で仕事を離れたが平成26年に籠を中心に編むことから生まれる手仕事を紹介する「gallery KEIAN」を自宅の一画で始める。平成28年「日之影の竹細工職人 廣島一夫さんの仕事」展を開催。クラウドファンディングで図録を刊行。平成30年再びクラウドファンディングを利用して『中川原信一のあけび籠』(文藝春秋)を上梓。
- 書名
- かごを編む 鳥越のすず竹細工とともに、柴田 恵
- 著者
- 堀惠栄子、写真:在本彌生
- 装幀・装画など
- ブックデザイン:縄田智子L’espace
- 仕様
- A5判 並製 (天地210mm x 左右148mm x 束幅12mm) / 160ページ / 290g
- 発売日
- 2024年05月10日
- ISBN / Cコード
- 978-4-89815-585-1 / C0072
- 定価
- 2,200 円(本体 2,000 円+税)