この街の最後の詩心が消えたとき、僕の恋心に奇跡が灯る–。 下北で箱貸し屋をささやかに営む僕、ほがらかに微笑む美しいひと、桃子さん、そして街中から忌み嫌われる、ボロボロになった自称詩人…。 下北沢に住まう人々が繰り広げる、ちいさな街のサーガ、せつなく心揺さぶる最高傑作! 移ろいゆく街が包みこむ、 愛すべき隣人たちの物語。 「下北沢の懐は深く、心は温かく、道は入り組んでいる」 僕たちはみんなこの日、この街を彷徨い歩いた。彷徨って、得るものがあった人もいる。なかった人もいるだろう。ものごとはすべて、うまくいくとは限らない。しかし、うまくいかないとも限らない。今日得るものがなかったとしても、かつて得るものがあった日が、必ずどこかにあった。そんな日が、明日また訪れるかもしれない。――本文より 気鋭の画家・田中健太郎さんによる、手描きの下北沢マップが折り込まれています。

書名
下北沢
著者
藤谷治
仕様
四六判 / 152ページ
発売日
2006年06月28日
ISBN / Cコード
978-4-89815-176-1 / C0093
定価
1,650 (本体 1,500 円+税)
書籍
定価 1,650 (税込)
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