鈴木清順監督

鈴木清順監督の“浪漫三部作”、一挙リバイバル公開!!

国内外で六十年代から熱烈な支持を受け、今年で88歳を迎えた鈴木清順監督。その傑作群の中でも『ツィゴイネルワイゼン』(80年)、『陽炎座』(81年)、『夢二』(91年)の三作品は“浪漫三部作”と呼ばれ、豪華三大俳優を主演に迎えて、その絢爛たる映画術の成熟が頂点を極めた代表作として知られており、発表から三十年の歳月が過ぎた今なお観ても色あせない魅力を放ち、日本映画界が誇る最高傑作と言っても過言ではありません。絢爛豪華で観る者を虜にして放さない清順ワールドが、ふたたび甦る! 艶やかな映像世界に酔いしれる至極の映画体験を、ぜひこの機会に大スクリーンで味わって下さい。

原田芳雄は主演作『ツィゴイネルワイゼン』はじめ三部作すべてに出演、ギラギラした野性味溢れる魅力がスクリーンで甦る!

今年7月19日に惜しまれつつ逝去した原田芳雄(享年71歳)が主演した『ツィゴイネルワイゼン』は、発表から30年経った今なお語り継がれる〈清順美学〉の真骨頂であり、野性味あふれる魅力で演じた原田氏の代表作。追悼番組や特集などで必ず取り上げられる永遠の名作です。当時、ベルリン国際映画祭・審査員特別表彰を始め、国内外の映画賞を多数受賞。清順監督と成し遂げた偉業をたたえるとともに、スクリーンの中でいきいきと輝く原田芳雄の姿を堪能することが出来ます。

“頼りの無い弱い男”松田優作、“妖艶なる色男”沢田研二を堪能できる稀有な作品

清順監督の大ファンであったという松田優作は『陽炎座』に主演。今までのイメージを一新するような役柄、女に翻弄される“弱い男”ゆえの魅力を見事に体現しています。
また、『夢二』に主演したジュリーこと沢田研二は、画家・竹久夢二の苦悩を描きながらも、軽やかに色香ただよう男を魅力的に演じています。沢田は今年2011年でソロデビュー40周年を迎え、ザ・タイガースのメンバーをゲストに全国ライブツアーを精力的に行い、還暦を過ぎても、まだまだ時代を駆け抜け続けています。
他に、大楠道代、藤田敏八、大谷直子、中村嘉葎雄、加賀まりこ、坂東玉三郎、広田玲央名、麿赤児、樹木希林など、清順映画ならではの豪華な顔ぶれがスクリーンを彩ります。

監督・鈴木清順の絢爛たる映像世界に、大スクリーンで酔いしれる!

〈清順美学〉と呼ばれる独自の映像美で60年代から熱狂的ファンを生み続ける映画監督・鈴木清順。その圧倒的評価は日本だけに留まらず、ウォン・カーウァイ、ジム・ジャームッシュなど多くの映画人からリスペクトを得ています。“浪漫三部作”三作品の一挙公開は、前回の企画「DEEP SEIJUN」からおよそ10年ぶりとなる、待望の劇場上映です。

鈴木 清順 すずき せいじゅん

1923年5月24日、東京日本橋生まれ。本名は清太郎。
43年に学徒出陣により応召。復員後の48年、旧制弘前高等学校卒業、松竹大船撮影所の助監督試験に合格。同期に松山善三・井上和男・斎藤武市・中平康などがいる。
54年、製作再開した日活に移籍し滝沢英輔・山村聰・佐伯清に就いたのち、野口博志に師事する。56年、本名で『港の乾杯 勝利をわが手に』で監督デビュー。
58年に鈴木清順と改名。プログラム・ピクチュアの巧い作り手として評価され、以後名作・快作・佳作を連打する。
67年に発表した40本目の作品『殺しの烙印』が当時の日活・堀久作社長の逆鱗に触れ、翌年4月日活から一方的に専属契約を打ち切られる。同時期、シネクラブ研究会が清順作品の上映を計画するも、堀社長はプリント貸出を拒否。それによって映画関係者やジャーナリズムを巻き込んだ「鈴木清順問題共闘会議」が発足(71年12月に和解)。
この間、70年にフジテレビ「恐怖劇場アンバランス」の一環として監督した「木乃伊の恋」(放映は73年)やCMの演出、シナリオなどを執筆。77年『悲愁物語』で劇場用映画に復帰。
80年に発表した『ツィゴイネルワイゼン』、続く『陽炎座』(81)、『夢二』(91)の三作が“浪漫三部作”として国内外で評価される。また「日本映画監督協会俳優部」を自称し、俳優としてテレビドラマ「ムー一族」「美少女仮面ポワトリン」や、映画『ヒポクラテスたち』『不夜城』など多数出演する。
01年『殺しの烙印』を自らリメイクした『ピストルオペラ』。05年、長年温めてきた企画『オペレッタ狸御殿』をチャン・ツィイー、オダギリジョ-主演で発表し、カンヌ国際映画祭・栄誉上映特別招待作品として招待された。
81年芸術選奨文部大臣賞、90年紫綬褒章、96年勲四等旭日小綬章。06年に第24回川喜多賞受賞。