美しい標本と、
胸をしめつける堀江敏幸の
掌編との二重奏。
[ 堀江敏幸書き下ろし「記憶の葉緑素」所収 ]
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1世紀の時を経てなお残る、花々のかすかな色。
指先の気配――。
南フランスの蚤の市の片隅に置かれた小さな箱。
中には100枚ほどの花の標本がひっそりと収められていました。
まるで絵を描くように、枝葉や花片がていねいに台紙に配置され、ごく小さな薄紙で留められている、あまりに美しい植物標本の数々……。
遠い昔、見知らぬ異国の女性が、スイスとフランスの国境近くの山や草原で花を摘み、手を動かしてていねいに作った標本から、想像をめぐらせ、記憶を辿ること。
かつて生きていたものたちの息づかいが聞こえてくる奇跡――。
*植物標本95点収録
*採取地と学名、和名の索引つき
[プロフィール]
堀江敏幸(ほりえ としゆき)
作家・フランス文学者・早稲田大学文学学術院教授。
著書『おぱらばん』『雪沼とその周辺』『河岸忘日抄』『なずな』『その姿の消し方』『音の糸』『曇天記』『定形外郵便』など多数。
飯村弦太(いいむら げんた)
東京都文京区湯島の古道具店「ATLAS」店主。
- 書名
- ポール・ヴァーゼンの植物標本
- 著者
- ポール・ヴァーゼン、文:堀江敏幸
- 装幀・装画など
- 企画:飯村弦太(ATLAS)
撮影:加瀬健太郎
装幀:黒田益朗 - 仕様
- 四六判変形 上製 (天地182mm x 左右135mm x 束幅15mm) / 148ページ / 267g
- 発行日
- 2022年07月28日
- 発売日
- 2022年07月19日
- ISBN / Cコード
- 978-4-89815-561-5 / C0095
- 定価
- 2,200 円(本体 2,000 円+税)